アイヌの踊りに思う!
2017冬季アジア札幌大会が開かれているが、開会式で、アイヌの踊りが紹介された。
かつて、日本は単一民族国家だと言った首相がいた。その首相は知らなかったのだ。日本人の中には少なくともアイヌ民族と大和民族と琉球民族がいる。実際は漢民族も欧米の民族も少数いる。日本人という概念の中にいろいろな民族がいるのだ。それを単一民族国家というのはあまりに愚かである。
方言についても思うことがある。以前、東北出身の人に東北の方言を話さないのかと聞いたら、冷たく話すわけがないと言われた。東北方言を話すことを嫌がっているようだったのが少し残念だった。
宮沢賢治の「訣別」という詩に「あめゆじゅとてちてけんじゃ」ということばがある。「雨雪を取って来てくれ」という意味だ。これがぼくは好きだ。方言は豊かだ。方言を捨てるのはいけないと思っている。文化の豊かさを残すのは方言だ。もっと言えば民族だ。
日本民族は大和民族に少数民族も加わって、多種多様な民族によって成り立っている。だが、その大和民族にしても、古代にさかのぼれば、いろいろな民族がいたはずだ。日本人の起源を考える時、南から海を渡ってきた民族と、北から渡ってきた馬に乗る民族とが合体したのが大和民族だという。北の民族と南の民族と言えば、大きな違いがある。
それは北の民族は背が高く、目が細く、眉が細く、一重瞼であるということ。南の民族は背があまり高くなくて目が大きく、眉が太く、二重瞼であるということ。今、九州から関西にかけてが南の民族、関東から北が北の民族と大まかに分けられるかもしれない。
しかし、最近はテレビの影響もあり、地方性が失われつつある。
それでも大阪は大阪人の特性を失わないパワーにあふれている。福岡人もそうだ。個性を失わない。アイヌ民族、沖縄民族、朝鮮民族、欧米の出身者もそうだ。誰もがその個別性を失わないでほしい。東北人もそうであってほしいと思っている。
自らの地方性に誇りを持ってほしい。それが多様な文化の存在する日本という全体を形作る。それこそ、異なるものを排除しない社会を形成するために必要なものだと思うからだ。