日々是好日 - Seize the Day

煩悩だらけで無力で、罪深い人間の戯言です。

朝の富士山と夜の三日月


 昨日の朝のことだ。朝まで眠れず、6時過ぎたころ、カーテンをいっぱいに開けたら、頭の白い富士山が見えた。こんなに白い富士山を見たのは今年の後半になって初めてのことだ。


 遠くの町は朝日を浴びて光っている。一日が始まるのだと実感して、6時半から英語のラジオ講座を聴いていたら、途中でテキストを手に持ったまま眠ってしまった。昼過ぎて、母に起こされた。どこかへ行こうと言う。珍しいことだ。


 実は、最近、毎晩のように、電車に乗ってどこか遠い所にある公園に行こうと誘っているのだ。母は明日が楽しみだと言いながら、深夜過ぎてもなかなか寝ないで、翌日はやっぱり昼過ぎに起きてきて、昨晩の話はすっかり忘れている。ただ眠い、どこにも出かけたくないと言う。


 それが、この日は自分から行こうと言う。それでいろいろ案を出し、結局、多摩市の多摩中央公園へ行こうという話になった。母が電車に乗るのは2月以来だ。


 多摩センター駅で下りて、南口を出た。目の前に広がる坂道を上っていくと、公園があるのだが、行ってみて驚いたことに、工事中でどこからも入れそうにない。何しに電車に乗ってきたのかわからない。


 しかたなく、ショッピングセンターや町中をぶらぶら歩いて、買い物をと思ったが、どこも高すぎる。結局、無印良品とダイソーで600円ほど買い物して、帰途に就いた。


 最寄りの駅に着いてから、イオンで買い物したが、ひどい三密状態だ。見れば確かに安い。レジの前には長蛇の列、10分以上は並んでいたと思う。食材に母の好きな寿司を買って帰った。


 家に帰ったら、もう真っ暗だった。食事を作り、食べて落ち着いたら、もう9時近かった。そして、習慣のように、窓の外を見たら、カミソリのような三日月が西の空に浮かんでいた。


 公園に入れなかったのは残念だが、久しぶりに電車に乗って、久しぶりの駅へ行ったこと、そして、冠雪した富士山、きれいな三日月が見られたこと、これだけで、ここ最近にはない、すごく充実した一日のように感じた。



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