元宵節(げんしょうせつ)
今日は旧暦で1月15日。かつては小正月と言っていた。睦月満月の日である。中国では「元宵節(yuan2 xiao1 jie2)といって団子を食べ、家族でお祝いをする。
元宵節の由来は道教の「三元信仰」、すなわち、1月15日の上元、7月15日の中元、10月15日の下元のうち、上元をお祝いするものだ。同時に灯籠を掲げて仏を祭る仏教の習俗とが混交したため、この日には走馬燈など各種の灯籠を飾ってお祝いをする。それで「灯節(deng1 jie2)」とも言われる。ところで、日本のお中元もこの「三元信仰」がもとになっている。
また、中国では旧暦正月(今年は1月28日)前後の数週間が休みとなり、家族が集まって、年を越すが、元宵節までが休みで、翌日あたりから、会社では仕事が、学校では2学期が始まる(1学期は9月から)。つまり、家族が集まる最後の日となるのだ。
そして、家族の無事(团圆tuan2 yuan2)を祝って、丸い元宵(もち米をこねて砂糖、ゴマなどを餡にして茹でたもの)と呼ばれる団子のようなものを煮汁に入れて食べる。日本のお雑煮のようなものか。なおこの日は旧暦1月15日ということで夜には満月が空にかかる。
さて、これで中国でも正月気分は終わりになる。ぼくは中国やベトナムの留学生に日本語を教えているが、ここ最近教室がさびしくなっていた。そして、先週あたりから少しずつ以前のにぎやかさが戻ってきている。
ふと思うことがある。日本人が海外へ留学した場合、新暦の正月だからと言って、日本に戻る留学生はどれほどいるだろうか。何だか、旧暦を尊重する国の人たちは本当に家族を大切にしているんだなと感じた。