日々是好日 - Seize the Day

煩悩だらけで無力で、罪深い人間の戯言です。

長時間労働!

 テレビで話題になっている月に180時間という長時間残業について思った。


 ぼくが以前勤めていたところでは、昼過ぎに出勤、8時間勤務だが、結局9時間から10時間ぐらい職場にいた。朝10時過ぎに出て、夜11時から12時の間に帰宅。しかも週休は1日だけ。週労働時間は残業も含めて50時間ぐらいになる。祝祭日の休みもなくて、年間労働日数は300日を超えていた。残業手当もなし。昇給もなし。5年働いて、体中がたがたになって、最後は週一日の休みである日曜日もと出てくれと言われ、辞めると宣言したら、明日から来なくていいと言われ、失業。その後、今の非常勤の講師として、体と相談しながら働いている。それでも体のガタガタは治らない。


 その前に働いていたところでは、もっとすごかった。朝7時半出勤、夜8時ごろ退勤は当たり前で、9時ごろ帰ることもよくあった。内容がどうかより、長時間、時には12時まで働く人や寝泊まりする人もいて、そんな人が出世する。僕自身、上司から「君は偉いね。朝早く来て夜遅く帰るんだから偉いよ。」とほめられたこともある。有給休暇なんかも取る人は少なかった。ほとんどの人が30日以上残していた。年休をたくさん取ると、批判され、勤務時間内に帰ると後ろ指をさされることもあり、居づらくなると左遷される。そういう社会だった。


 ある時、トップの人物から尋ねられた。「君は一生懸命にやっているか?」と。ぼくは「はい、一生懸命です。」すると、仕事と家族とどちらが大切かね?」と言われて、「もちろん家族です。」と答えたら、「それは一生懸命じゃない。家族を犠牲にして仕事をするのが一生懸命というんだ。」と言われた。そのトップとは以前から対立していたが、さらに対立はひどくなり、左遷させるとか研修に出すとか脅されたのを覚えている。


 それ以前に働いていたところでは、家族がいなかったせいもあり、やはり、長時間労働をしていた。誰よりも早く出勤し、誰よりも遅く帰宅していた。すると、先輩に「お前は迷惑なやつだ!」と言われた。早く帰ってくれないと、みんな勤務時間に帰れなくなる。という理屈だ。もちろん、長く働く人が尊ばれる社会ではあったが、ただ付け足せば、ぼくは自分の才能の不足を感じていたから、同じ仕事でも、人の二倍の時間がかかると思っていたから、長く働いていたのだ。


 日本全体に質より量という考え方があるように思う。昔も今も変わらない気がする。途中、だべっていても、どこかでコーヒーを飲んでいてもかまわない。酒を飲んでいてもかまわない。マージャンをしていてもかまわない。質より量の考え方だ。また、「質より名」という考えた方もある。「実質」は捨ておいて、「資格」や「名称」を重んじる。だから、官僚とか長と名の付くものは保身に勤める。誰が何をするかより、「自分」が何であるかを尊ぶトップが多い社会なのだと思う。


 

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