日々是好日 - Seize the Day

煩悩だらけで無力で、罪深い人間の戯言です。

代償行為!

 ぼくは小さいころ、母に「うちは貧乏だから」と言われて育った。贅沢は禁物だった。時計を持ったのは高校生の時、父のお下がりを兄が使い、兄が大学生になって新しいのを買った時、兄が父から譲り受けた時計をぼくが受け継いだ。大学生になって、サッカーを始めた時も、スパイクが買えず、兄が使っていたスパイクをもらって使っていた。


 ぼくはエビやイカやカニや牡蠣や鯛などが嫌いだ。あんなものはおいしくないと思っている。手に入らないものという心理が小さいときにあったからだろうか。回らない寿司屋も初めて入ったのは23歳の時、先輩に連れられて行ったのが初めてだった。それ以後、回らない寿司屋に二度と入ることはない。いつも回る寿司屋だ。


 こういう心理は、心理学でいうところの「ほしいものがあっても手に入らないと思ったら、あきらめて、それは最初から嫌いなものなんだと考える」所謂「代償行為」という心理だろうか。好きな女性を手に入れたいと思っても、自分には無理だと思えば、彼女はたいした女性ではないなんて言う。
 
 それから、クーラーも嫌いだ。今もずっとうちではクーラーを使っていない。暑いときは薄着に、寒い時は厚着をする。10度から29度くらいまでは大丈夫だ。職場では困ったことに、他の人に合わせるがつらい。中には22度で寒い。エアコンを入れてほしいと言う学生がいる。かと思えば、26度で熱い、エアコンをという学生がいる。そんなぼくが30歳の時、結婚した相手がエアコンなしでは生きていけないという人だった。


 少し困ったが、できるだけ相手に合わせてきた。最近、別居して、今は母と二人暮らしだが、何と驚いたことに母も貧乏性なのだ。エアコンが嫌いだという。また、スーパーに行ったら、できるだけ安いものを買う。時計靴下も百均のものを使っている。似ている。だが、考えてみれば当たり前のことだ。母に育てられたから、こうなったのだ。今も貧乏性、代償行為は続いている。

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