日々是好日 - Seize the Day

煩悩だらけで無力で、罪深い人間の戯言です。

蝸牛角上の争い!

 韓国釜山にある日本総領事館前に慰安婦問題を象徴する「少女の像」が設置されたことで、日本政府はその報復処置として、駐韓大使を日本に呼び戻したというニュースを聞いて驚いた。一昨年末、日韓合意がなされ、これで解決に向かうと思われたのに残念だ。何だか韓国国民は解決することを望んでいないようにも思われて仕方ない。


 日韓合意をした時の朴槿恵大統領が失脚したことで、解決への道筋も断たれたような気がする。すでに戦後70年、日本の広島にアメリカのオバマ大統領が訪れ、謝罪はないものの、多くの人々の心が安らいだ。また、日本の安倍首相がハワイ真珠湾を訪れ、やはり謝罪はないものの、和解の力、希望の同盟と言う言葉を示し、協調の道が示された。ただし、今月、新しい大統領に変わったら、またどうなることかわからないが。


 こんなニュースを見て、思うことは「蝸牛角上争何事」だ。白居易の詩「対酒」にあることばだ。詩の全文は以下の通り。


 蝸牛角上争何事 wo1 niu2 jiao3 shang4 zheng1 he2 shi4
 石火光中寄此身 shi2 huo3 guang1zhong1 ji4 ci3 shen1
 随富隋貧且歓楽    sui2 fu4 sui2 pin2 qie3 huan1 le4
 不開口笑是癡人    bu4 kai1 kou3 xiao4 shi4 chi1 ren2


[訓読]
 蝸牛角上何事をか争う。
 石火光中此身を寄す。
 富に従い貧に従い且らく歓楽せん。
 口を開いて笑わず、是痴人なり。


[現代語訳]
 カタツムリの角の上のような小さな世界で人は何を争っているんだろう。
 火打石に飛び散る火花のように、はかなく生まれては死んでいく人の命だ。
 裕福でも貧乏でも、わずかな子の一生、大いに楽しもうではないか。
 口を大きく開いて思い切り笑わない人は、ただ愚かな人だけだ。


 そうだ。僕らの人生ははかない。争っているのは愚かしい。ぜひとも仲良くしてほしいものだ。

×

非ログインユーザーとして返信する