大きなエビで小さなエビを釣る!
中国の笑話にこんな話がある。
ある漁師がたまたま大きなエビを釣り上げた。だが、彼はここで止めないで、その大きなエビを餌にして、また釣りを続けた。だが、次の結果は小エビしか釣り上げたに過ぎなかった。それでも、彼は、その小さなエビを餌に釣りを続け、さらに、繰り返し、釣った魚やエビを餌に釣り続け、最後にはクジラを釣ったという。ただし、クジラを釣ったことで、逮捕されたということだ。
これは、目先の小利に捕らわれず、努力を続ければ、いつか成功するということを教えている。確かにその通りだ.。オリンピック選手が銅メダルをとっても、そこで満足せず、銀メダル、金メダルと目指していく姿勢は重要だ。ブログでもそうだ。「継続は力なり」という言葉のとおりだ。
だが、ここには問題がある。少し大きな利益を得たところで、それに満足せず、さらに大きな利益を求めて、作業を続けるというのは、例えば、株で小さな利益を得てもそれに満足せず、さらに利益を追い求めたらどうなるだろうか。例えば、パチンコで小さな利益を得て、その利益をもとに大きな利益を求めていったらどうなるのだろうか。問題は「吾、唯足るを知る」ということを知らないことだ。欲望を限りなく追い求めれば、かならず失敗する。
すべてを失っても、もう一度、小さなあるいは中くらいの利益を求め、最後には大きな利益を得られることを夢見て、結局はすべてを失うことになるのではないだろうか。特にギャンブルにおいてはこれは禁物だ。小さな利益で満足することがとても大切なことになる。
ただ、スポーツ選手の技術に関してはこの限りではないだろうが、快楽や金銭に関して言えば、あきらかに問題だ。以前プロ野球の落合選手が1億円の年収を求めて、球団と交渉を続けた時、思った。この男は「吾唯知足(われただたるをしる)」を知らない男だと。今のぼくの年収は落合選手が要求した1億円の50分の1ぐらいだ。だが、決して今以上を要求しない。今ある小さな幸せで満足している。大きなエビどころではない、小さなエビで満足しているのだ。