夏目漱石没後百年!
文豪夏目漱石が亡くなったのは1916年12月9日。1867年2月の生まれだから、数えで50歳だった。今年は漱石が生まれてから150年。今日は亡くなってからちょうど百年の命日だ。今なら、まだ成熟しきれない年齢だ。漱石は50歳ですでに天命を知り「行雲流水」などの言葉を残している。
漱石と言えば、前期三部作を覚えるため、「三四郎はそれから門をくぐった」と言って
いたことを思い出す。つまり、『三四郎』『それから』『門』の三部作だ。後期三部作を覚えるためには「彼岸過ぎまで行く人の心」と言っていた。『彼岸過ぎまで』『行人』『こころ』の三部作だ。
全部読んだわけではないが、今でもいちばん心に残っているのは『こころ』だ。先生と出会い、その先生から手紙が届く。その手紙の中に、先生は大学生の時、友人を裏切り、先を越して、友人が告白した相手の女性との結婚を決める。その後、友人が自殺してしまう。自殺させてしまったことで、謝る機会を永遠に失ってしまったという話。まさに心理小説だ。
漱石没後、百年が過ぎた。時代は大きく流れて漱石の時代からは想像もつかないような時代に変わった。漱石が亡くなる前に生まれた人も多い。しかもまだまだ元気だ。漱石が亡くなった年齢である50歳なんて、まだまだ若い。中にはかつては子供のものだった漫画やゲームが大好きな人もいる。百年の間に、時代は大きく変わった。