ブラックフライデー
ブラックマンデーと言えば、1987年10月17日の月曜日、アメリカ証券取引所で発生した株価の暴落で、それが世界的な株の大暴落につながった。ブラックと言えば、暗いイメージがある。ブラックマネー、ブラック企業、ブラックジャーナリズム、ブラックメール、ブラックマーケットなど。また、ブラックボックス、ブラックチェンバーなどは秘密の意味が含まれている。
ところが、今日、初めて聞いたことばだが、テレビのCMで、「ブラックフライデー」といって大売出しの宣伝をしていた。セールにブラックがつくとは驚いた。朝日新聞の天声人語でも「ブラックフライデー」について紹介していた。
ブラックフライデーとは、アメリカの感謝祭である11月の第4木曜日の翌日のことだそうだ。なぜ、この日がブラックかというと、感謝祭で売れ残ったプレゼント商品などをバーゲンセールにして売り出し、そこへ消費者が殺到し、小売店は黒字になるからだという。黒字の金曜日、すなわちブラックフライデーなのだ。何でも、アメリカでは一年でいちばん売り上げが多い日となるらしい。この日から、年末商戦が始まるともいう。
それにしても、消費者の消費意欲をそそるためには、日本のデパートやスーパーは何でも利用する。特に最近は、ハロウィン、クリスマスイブ、バレンタインデー、ホワイトデーなどカタカナによる商業戦略が多い。そこに、涙ぐましい商魂を感じる。
世の中には、あちこちに落とし穴がある。主に金もうけのための罠が多い。詐欺、あるいは詐欺まがいのものもある。最近は銀行だけでなく民間の金貸しもやたらと宣伝しているが、いつか借金地獄という落とし穴にはまるのではないかと心配だ。金を貸す側が暴利をむさぼっている。
どこかの不動産が表向き安い物件を見せておいて、来店したら、それは昨日売れましたと、他の高い物件を売り込もうとするなどというのもある。街頭で何か売る場合もサクラがいる。みんな買っているという宣伝文句も嘘が多い。予備校などでは合格率をかさ上げして人を呼び寄せようとしている。あらゆるところに落とし穴がある。
ゲームやギャンブルも落とし穴だ。はまってしまって抜けられなくなるようなギャンブルやゲームには特に近づきたくない。乗せられて、気が付いたら、出られなくなる。そんな落とし穴には落ちたくない。
話を元に戻せば、ハロウィンやブラックフライデー、それに、クリスマスケーキ、バレンタインデー、すべて消費者を乗せるための戦略だ。乗せられて高価なものを買う気はしない。ものを売るCMだけではない。競馬や競輪、パチンコなどギャンブルのCMも同様だ。乗せられたくない。
消費にかかわる情報は、テレビコマーシャルだけではなく、新聞や雑誌、チラシもある。そして、最近、うざいと思うのはメールによる公告だ。一日に何通も押し寄せてくる。その中から必要なものと不必要なものを判別するのは時間がかかる。テレビからメールまでいろいろな広告の文句が脳の中で渦巻いているようだ。大事なことは冷静に取捨選択をすることだ。乗せられて、不必要な物、無駄な物を買ってしまったり、はまってぬけられなくなるようことだけはとにかく避けたいものだ。