覆水盆に返らず
かつて殷王朝に姜太公という人がいた。智謀に長けていて、兵法にも通じていた。だが、王朝の残虐なやり方に不満を持ち、官職を辞して、一般人となり、渭水のほとりに隠棲した。それ以来、渭水で釣りばかりして何もしなかったことから、妻は不満に思い、別れて出て行った。
その後、姜太公は周の文王に招かれ、軍師となった。周は彼の力を借りて、ついに殷王朝を倒した。その後、大官として豊かになった姜太公のもとに、妻が戻ってきて、よりを戻そうとしたとき、姜太公は壺の水を撒いて、これをもとに戻せるかと尋ねた。これを見た元妻はあきらめて帰ったということだ。
この故事から中国語では「覆水難収覆水难收/fus4 hui3 nan2 shou1(覆水収め難し)」という言葉ができたそうだ。日本では翻訳されて、「覆水盆に返らず」となっている。姜太公は、文王が先王の待ち望んだ賢人だということで、太公望とも言われる。また呂尚とも呼ばれている。
さて、この「覆水盆に返らず」だが、今、まさに韓国の大統領が取り返しのつかない「覆水盆に返らず」の状態に陥っている。こうなったら、早く国を立て直さなければ、北朝鮮がチャンスとばかり、何かをしてくる可能性もある。できるだけ国を安定させなければならないと思うが、ともあれ、壊れた信頼はもう戻りそうにない。