科捜研の女
新シーズンが始まった。第一回はスペシャルで2時間あるのだが、母が不思議なことを言っている。
「このシーン、見たことがある。あんたは、誰が犯人か覚えている?」
「覚えているわけないでしょう。これは今月から始まる新シーズンだよ。」
こう言っても、しばらくしたら、「やっぱり見たことがある」と言う。
母は再放送と勘違いしているのだ。昼間にやる「科捜研の女」の再放送を見ているときは初めて見ると言っていて、何回見ても忘れている。
見たものを忘れる、食べたものも忘れる。どうにもならないのだが、日頃、ぼくは母に「同じドラマを何回でも楽しめるのはいいね。」と言っている。だが、初めて見るものを見たことがあるというのはそれこそはじめてのことだ。