ぼくはこれまで、教師時代、ひとつの職場で、必ず３年以上は働いてきた。いつも「石の上にも三年」ということを意識してきた。数か所の学校を移動したが、一番短いところは３年、一番長いところは１０年以上いた。

　日本語教師になってからはちょっと違った。中国に三年いた間に一度学校を移った。前半の学校で１年半、後半の学校で１年半という短さだった。と言っても、中国では一年契約だったのだから、最低でも一年、中国滞在は最低３年と心に決めていたので、どちらもクリアできた。

　帰国後はある学校で、契約社員として働いたが、不景気のため、契約通り３か月で辞めることになった。これは社会の影響だから仕方ない。次の職場では正社員として５年続けた。そして、今は体を壊した関係で、時間講師として同時に二つの学校で週に数時間ずつ働いている。ここでも３年を目標にしている。今、２校とも３年目だ。もう数か月、「石の上にも三年」の覚悟を持って働き続けるつもりだ。

　だが、住むところとなると。すぐ引っ越してしまう。それで、根無し草と言われたこともあるが、なかなか一か所に落ち着けないのだ。生まれてから、14歳まで同じ場所に住んでいたが、それ以後は、中三から2008年に帰国するまで、すでに２０数回引っ越してきた。1ヶ月で引っ越したというのもある。３か月住んだところは数か所。長いところとなると６年住んだのが2か所ほどある。残りはみな１年とか３年ばかりだ。

　それが、今年、破られた。今住んでいるところに越して来て、もう７年半になる。もうすぐ８年の大記録に達する。もしかしたらここが終の棲家なのだろうかとも思い始めている。と言っても、未来はわからない。また放浪を始めるかもしれない。