日々是好日 - Seize the Day

煩悩だらけで無力で、罪深い人間の戯言です。

観光立国日本?

 この春、中国人の教え子が二人、仕事で来日し、東京へ来た。わたしはほぼ10年ぶりに彼らと出会うことができてうれしかった。


 来日した女性の教え子は日系会社に勤めていて、会議のために東京へ来たという。いっしょに銀座で食事をして、それから、買い物に行った。どこへいくのか、ついて行ったら、ドン・キホーテだった。店内には中国語があふれていた。客もレジの店員も中国人だったのにはちょっと驚いた。ここは銀座だろうかと不思議な気持ち!


 もう一人、中国人の男性の教え子が同じく出張で東京へ来た。昼、銀座で出会って、いっしょに有名デパートへ。およそ3時間、あちこちで化粧品を買っていた。中国で頼まれたそうだ。有名デパートへ行くと、お金を払うところには中国人スタッフがたくさんいて、通訳をしている。免税店に行っても、中国人スタッフが案内をしている。夜はほかの知り合いとも会って夕食会。


 今、銀座は中国人観光客を取り込もうと一生懸命だ。あちらこちらで中国語が聞こえる。最近、上野や浅草に行ったが、どこでも外国人が多い。とりわけ中国人が大勢いた。店員の中には中国人の名札を下げた人が多かった。あちこちで国際化が進んでいるということだろうが、時々、これでいいのだろうかと思うこともある。


 例えば、昔、一地域だけで商売していたものが、他地域の人たちも取り込んで商売したようなものだと考えれば、問題ないが、ただ、海外の観光客に、特に中国人に何か媚びすぎているような気がするのだ。どこの店でも売り場には中国人の通訳がいる。観光は政治も大きく関係する。


 そういえば、中国に旅行した時、日本語で対応するスタッフが大勢いたことを思い出す。どこで勉強しましたかと聞けば、中国のある都市の日本語学校だと答える。ただ、当時はまだ商業主義が行き届いておらず、客への対応は横柄なものだった。どう働こうと収入は変わらない時代だった。今は少し違うが、まだまだサービス精神はない。


 それでも、やはり日本語を話せることが有利に働いた。今、日本にいる店員で中国人観光客に応対するのは日本語が話せる中国人だ。中国旅行をした時、応対した店員はやはり日本語が話せる中国人だった。おや、中国語が話せる日本人がどこにもいない。なぜだろうか。ここには何か原因があるのだろう。今後考えてみたい。


 ところで、今、日本が目指すのは観光大国だろうか?観光立国なら、フランスなどを見習ったほうがいい。フランスは媚びることなどしない。行ってもいないのだから、わからないが、何かが違うような気がする。日本の「おもてなし」がただ、自然なものならいい。どこか媚びすぎていないだろうかという気がしてならない。

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