日々是好日 - Seize the Day

煩悩だらけで無力で、罪深い人間の戯言です。

残業社会日本!

 日本社会では、今もまだ残業が当たり前のようだ。だが、残業時間が長いと、体力的に疲労が蓄積するだけでなく、心をリフレッシュする時間もない。信じられないほどの残業時間のせいで、追い詰められ、自殺した若い女性のニュースを見て思った。今の日本ではまとまな成長は望めないと。


 公立高校の教員をしていたときのことを思い出す。残業しても手当はない。課外授業の手当、クラブ指導の手当はあったが、わずかなものだった。そんな中で、朝早く出勤し残業する教員は上司からよく褒められた。逆に時間通り帰る職員はみんなに嫌われた。ある日夜8時に退勤し、知り合いの高校へ行ったら、ほぼ全員が残業して忙しそうにしていた。8時過ぎて忙しいなんて何かおかしいと驚いたのを覚えている。


 あるとき、夜遅く学校にいたら、ある先輩に叱責されたことがある。「用がなければさっさと帰れ!」その先輩は続けて言った。「仕事第一はだめだ。それより個人の時間を大事にしろ。」と。できるだけ無駄に学校へ残るなというのだ。しかし、若いときのぼくは、仕事がなかなかはかどらなくていつも10時ごろ帰っていた。残りたくて残っているのではなかったが、ただ、この時から、仕事第一より、家庭や個人を大事にしようと思った。もちろん、やむを得ないときは家庭も犠牲にすることを前提にしての上だ。


 また、ある時、勤めていた学校の校長から、「君は一生懸命仕事しているというが、家庭と仕事とどっちが大事か」と聞かれた。もちろん「家庭が第一です。その上で、仕事を熱心にする」と答えたら、それは間違いだと言われた。「家庭を犠牲にすることが一生懸命仕事をするということだ。」と言われた。今の時代、こんなことをいう人がいるのかと驚いたのは今も忘れない。


 もちろん、これまでの経済発展を支えてくれたのは家庭を犠牲にして一生懸命働いた人たちだ。そういう人たちが作ったこの素晴らしい日本なのだろう。そして、残業社会なのだろう。だが、これからは違うと思う。「ゆとりある社会」を築いてほしいと願う。週40時間を守れる社会、余暇を利用して家庭のため、個人の趣味のために使える社会。週末や長期休暇をリフレッシュに使える社会になることを望む。

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