日々是好日 - Seize the Day

煩悩だらけで無力で、罪深い人間の戯言です。

しいたけ!

 先日、スーパーでとても大きなシイタケを見つけた。この数年、シイタケは手の出ない雲の上の食材だった。それが、何と大きなシイタケが8つ入って298円だった。シイタケは100均の乾燥シイタケ以外、しばらく食べていない。生でしかも安くてこんな大きなシイタケを見たら、ついじっと見入ってしまった。


 10年ほど前、大分の親戚の家で一年間ほど生活をしたことがある。その時、庭でシイタケを栽培していた。木にシイタケの菌を植え付け、それが育っていくのを数か月眺め続けた。毎日、今か今かと収穫の時期を待って眺めていた。次第に太くたくましくなっていくシイタケ、大分ではこれを「どんこ」と呼んでいた。収穫の時、今だよと教えられてむしり取ったどんこ!その見事な形に感動した。これがシイタケなんだと思った。


 東京近郊に住むようになって、そんな「どんこ」に巡りあうことなどなかった。出会っても、帰る値段ではなかった。それが、見事などんこに出会った。しかも安い。これは買うほかないと思って買ったのだ。久しぶりに食卓に載せらた「どんこ」!これを料理するにはと慎重に考えた。答えは肉詰め。本当に貴重などんこだ。


 「自然の恵み」という言葉がある。本当にそうだ。日本に住んでいて、この言葉をかみしめることは数多い。外国に住んでいたとき、こんなことを考えたことがなかった。日本のいいところ、悪いところ、いろいろ考えた。


 そう!日本は物価が高い。日銀総裁は物価を2%アップさせると言って久しい。実際物価が上がっているのに、日銀総裁は2%アップは成功していないという。これ以上上げられたら、庶民の生活は苦しくなる一方だ。市場は頑張って何とか安いものを売ろうとくれている。黒田日銀総裁にはそんな庶民の生活なんて見えていないのだろう。


 収入も年金も減る一方でたまごやキャベツの値段が上がる昨今、物価を上げさせないスーパーの努力に敬意を表したい。どんこが食べられる幸せを満喫したい。秋風の吹く中、物価2%上昇という旗を上げてできない政府の愚かさは歴然だ。シイタケを満喫した今日、少し幸せを感じた。小市民的な幸せだ。

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