ネガティブ!
ネガティブな思考をする人と一緒にいるべきではない。
大学生の時、ぼくは自殺願望を持つ人と行動を共にした。
ぼくは彼を救うつもりだった。
だが、ぼく自身持っているネガティブな一面がどんどん増幅し、
いっしょに死のうとまで約束してしまった。
母は電話でぼくの心を知り、ぼくのところまで駆けつけて、ぼくを救い出した。
結局、友人は一人で自殺した。
ぼくは今も自責の念でいっぱいだ。
ぼくを救い出した母が、今、年老いて、ネガティブな思考に陥っている。
母は普段はいいのだが、時折ネガティブ思考に取りつかれる。
「死にたい」とか「生きているのが面倒だ」という言葉を繰り返す。
そのたびにぼくは憂鬱になる。
けっしてその言葉は言わないでほしいと強く言う。
だが、これはどうしようもないのかもしれない。
母の生涯は暗いものだったのだから。
だからこそ、ぼくは母を今幸せだと言わせたい。
そう思って毎日を生きている。
ネガティブな思考をする人は、その人だけの問題ではない。
周りにいる人を暗くする。
ネガティブな思考をする人といっしょにいるだけで、
人はネガティブな思考に染まってしまう。
反対にポジティブな思考をする人は
周りを明るくする。
かつてアメリカ映画を見ていた時、
困った状況に陥った時にジョークを飛ばす人たちを見た。
アメリカというのはそんな国なのかと思った。
それだけで憧れた。
困った時こそ笑い飛ばそうじゃないか。
周りを笑顔にする人になりたい。
周りを希望にあふれる人たちにしたいと願う。
その一方で、ネガティブな思考は自分の中にどうしようもなく存在する。
決して明るくない己の性格が邪魔をする。
自分自身の矛盾に苦しんでいる。
それでも、ぼくは思う。
ぼくは周囲を少しでも元気にしたい。
それができれば自分の人生には価値があると。
生きがいってそんなものじゃないかと。