町中にある小さな川の小さな滝だ。
ここが、水鳥たちの生きる世界だ。
人には理解できない神聖な場所だ。
汚れてるのは川じゃなくて人間だ。
春分のころ、次第に色づいていくものたちを祝福したい。誰が何と言おうと美しい。淡いピンク色やオレンジ色に輝いている。また、遠慮がちに情熱的な赤い心を開くものたちもある。何があろうとも、自然の摂理のままに、あるべき姿のままに生きる。何の欲望もない、ただ生きている。ただ、できることをして生きているだけなのだ。
白木蓮も辛夷もいいが、
高貴な色合いで、
しかも立派な姿の紫木蓮が好きだ。
散り際もいい。
人の生き様にもヒントを与えてくれる。
あるがままに精いっぱい羽根を広げて、
美しく、鮮やかに生きて、潔く散っていく。
そんなふうに生きたい。
昨日の昼前、母の通院に付き添っていっしょに家を出た。
病院の帰り、ちょっと寄り道して小川のほとりを歩いた。
川沿いにあるソメイヨシノはちらほら花びらが見えたが、
ほとんどがピンクの蕾で、まだ心喜ばせるほどではない。
一ヶ月近く、近所を散歩する以外、遠出はしないでいる。
母と二人でほぼ家に閉じ籠ってテレビドラマを見ている。
閉塞感で縮こまってしまったた心に小さな期待が膨らみ、
暗い見通しの未来に、わずかながら明るい兆しが見えた。
オレンジ色に光る町
青空の下、花冷えの寒い町