「劣性遺伝」
優性遺伝と劣性遺伝!
中学校の時に習った言葉だ!ぼくの兄と弟は優秀だが、ぼくはそうでもないことから、ぼくはどこかで拾われたのではないかなどと考えていた時、この言葉を習った。
赤いバラと白いバラを交配して、三本のバラが咲いたら赤いバラが2本、白いバラが1本咲くと言われた。兄と弟が優秀であれば、ぼくが劣性であるのは当然だと納得した。納得して、少し安心したものの、何かが引っかかった。「優」と「劣」。すぐれているとおとっているという言葉。つまり、ぼくは劣っているのだと思い続けたのだ。確かにIQも兄と弟とは大きな差があった。
それが今日のニュースによると、日本医学会は用語を変更するという。「優性遺伝」を「顕性遺伝」、「劣性遺伝」を「潜性遺伝」と呼ぶことにしたということだ。まあ、現れている遺伝子と隠れている遺伝子という言葉だが、そう言われても、ぼくの気持ちは変わらない。
ちなみに中国語を調べてみたら、優性遺伝は「显性遗传(顕性遺伝)」、劣性遺伝は「隐性遗传(隠性遺伝)」となっていた。これは中国のほうが日本より、劣性遺伝の人にやさしい言葉だと思った。
ともあれ、劣勢は劣勢なりに頑張ってきた。人の二倍の努力をしなければ人並みに生きていけないという気持ちで来た。疲れることが多いという困った問題もある。マイナス要因もプラス思考に考えて生きて来た。結局言葉は人を左右するのにはまったく困ったものだが、人間とはそんなものだ。だが、この「潜性遺伝」ということばをきっかけに、そろそろ劣等感ともさよならをしたい。