日々是好日 - Seize the Day

煩悩だらけで無力で、罪深い人間の戯言です。

女子もどき?

 昨日、テレビで「女子もどき」という言葉を聞いて驚いた。


 「~もどき」とは「~に似ているが、そうではないもの」という意味だ。「~に似て非なるもの」なのだ。例えば、「がんもどき」。雁の味に似ているが、雁ではないから、「がんもどき」なのだ。


 この使い方からすると。「女子もどき」は女子に似ているが、女子ではないというのが
これまでの解釈だ。それが違う意味で使っているので驚いた、女子のようであるが、女子ではないという意味ではなくて、男性のようであるが、男性ではないという意味で使っているらしい。なんだか気持ち悪くなってきた。


 広辞苑などで意味を調べても「似て非なるもの」という意味しか載っていない。ふと思うのは、言葉の意味が辞書の意味と変わる瞬間なのかということだ。瞬間といっても、少し長い期間なのだが、それにしてもすごく大胆な意味の転移だ。


 そのうち「男子もどき」ということばも出現するかもしれない。昔風に理解すれば、男子のようだが、男子ではない」だが、この「女子もどき」と同様に理解すれば、「女っぽい男子」あるいは「男っぽくない男」ということになるだろう。本当に気分が悪くなる言葉だ。


 言語は共通理解ができてこその存在だ。それがまったく違う意味でつかわれるとき、ぼくは気分が悪くなる。その正反対な使い方にとまどうと言ったほうがいいかもしれない。決して反対しているわけではないが、高速エレベーターに乗って急上昇した瞬間のような気分になる。

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