日々是好日 - Seize the Day

煩悩だらけで無力で、罪深い人間の戯言です。

満員電車

 一昨日に続き、今日も早起きして東京へ出た。いつもは午後からの仕事なのだが、今日は特別で、朝からの仕事だ。朝出勤で、一番嫌なのが、満員電車。今日もあっちへ押され、こっちへ押されしながら、両手を万歳して、吊革につかまっていた。

 スマホも見れないし、本も読めない状態だ。仕方なくいろいろ考え事をしていた。ふと思いついたのが、手塚治虫の「火の鳥」。人間の忌み嫌う死を反対側がから捉えた作品だと聞いたことがある。写真のネガのようにしてみる。つまり、永遠に死なない人間はどういうものだろうかという見方だ。

 電車に乗って、もしも、自分ひとりしかいなかったらどうだろうかと考えてみた。運転手はロボット、すべての車両の中にいる人間は自分ひとりだけ。職場に行っても、そこにはロボットのメンテナンスをする自分一人しかいない。そんなことを考えていたら、ふと、押し合いへし合いしているこの人たちも同じ人間だ。ああ、よかったと思えた。

 あっちへ押され、こっちへ押され、職場に着いた時はもうくたくただったが、会議中も、同僚を同じように見ていた。みんな人間なんだ。いとしい人間なんだと。人がいる。人が大勢いることがいいんだ。帰りの電車の中でも、スマホばかりいじっている老若男女、漫画を読んでいる中年、居眠りしている疲れた人、みんな自分と同じくいとしい存在だ。

 帰りにスーパーに寄った。今日作りたいと思った料理の食材を買って、レジを通って、さて、支払いをと思ったら、支払いは6番自動支払機でお願いしますと言われた。機械にお金を入れてお釣りをもらう。隣で戸惑っている人たちに店員が昨日からなんですと言っていた。そう言えば、一昨日行った病院も三度目だったので慣れていたが、支払いは、すでに、機械化されていた。

 そのうち、SF映画の中のように、ロボット運転手のタクシーも近い将来にはあり得そうだ。それに、日本の人口減少は進んでいる。一人しか住んでい村もすでにあると聞くが、東京はドーナツ化が進んで、都心になるほど住人が少ないという。人口減少と機械化とが加速度的に進めば、朝の電車の中で想像したことも近い未来に起こり得るように思えた。まあ、自分が生きている間はまだまだだと思うが。

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