日々是好日 - Seize the Day

煩悩だらけで無力で、罪深い人間の戯言です。

三月!

 今日、二月二十八日で二月が終わり、明日からはいよいよ三月。新暦の暦上では、春だということになる。三月と言えば、前半は卒業式、後半は桜の開花と楽しみなことが多い月だ。だが、まだ寒い日が続きそうだ。


 思い出せば、ぼくが高校に入る年、三月上旬にあった入学試験のその日に雪が降って交通機関が乱れたのを覚えている。最近でも、時々三月に雪が降る。いつ、本当に春が来るのかと思いながら過ごす三月だ。


 三寒四温で衣服にも気をつかわなければならないし、季節の変わり目は病気になりやすい。だが、ぼくはこの三月が好きだ。なぜなら、春と桜を待つ月だからだ。待つ時こそいちばん楽しみな時なのだ。


 徒然草にも好きな一文がある。
 

 花は盛りに、月は隈なきをのみ見るものかは。雨に向かひて月を恋ひ、垂れ籠めて春の行方知らぬも、なほあはれに情け深し。咲きぬべきほどの梢、散りしをれたる庭などこそ見どころ多けれ。


 現代語訳すれば、以下のようになる。


 花は盛りのころに、月は曇っていない時だけを見るのだろうか。降る雨に向かって月を恋い慕い、簾を下ろして春の過行くのを知らなくても、やはりしみじみと趣が深いものだ。もうすぐ咲きそうな梢、散りしおれた庭などこそ見どころが多いのだ。


 例えば、大型連休の前、どこへ行こうか、何をしようかと考えている時、デートの前日、どこで食事をしようかと考えている時こそいいのだ。この意味で、三月は桜の開花を待ち焦がれる時であり、卒業式があって、新たな船出の準備をする時である。三寒四温を経て次第に温かくなる三月は一年でいちばん楽しい月なのではないか。

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