雪!
10日金曜日、雪が降った。
授業中、ある学生が「あっ!雪だ!」と言った。
それから、ベトナム人たちが大喜びした。
授業どころではない。
窓を開けて写真を撮る。
授業は中断せざるを得ない。
しばらくして、
「勉強頑張りましょう」と言ったが
聞く耳持たぬ学生たちは、
雪の降る光景に夢中だ。
ぼくは言った。
西九州では大雪で電車やバスが止まります。
ここでも雪が積もったら大変です。
積もらなくてよかったですねというが、
本当に聞く耳はまったくないようだ。
しばらく騒いでいて、ようやく収まり、
授業再開、しかし、気持ちは落ち着かない。
みんな雪が気になっているようだ。
雪を新鮮に感じる心には
少し感動した。
ぼくらは小さいころ雪を初めて見た時、
本当に感動した。
感動の心を大切にしなければならない。
今、後悔している。
雪を見て驚いているベトナム人たちを
連れて、外へ出るくらいの余裕があったらと思う。
雪は人を童心に戻す。
雪は人の心を雪(そそ)いでくれる。
確かに雪は多くの被害をもたらすが、
人の心に何かの影響を与える。
ぼく自身、二十歳のころ、
雪の降る光景の中、
ひどく感傷的になったことを覚えている。
雪は人を純粋にするのだ。