草船-後退する人類-
「日本人の起源を探る国立科学博物館(東京)のチームが17日、台湾からの渡来ルートとみられる3万年前の航海を再現するため、当時を模した2隻の草舟で沖縄県与那国島から約75キロ東方の西表島に向けて出航した。」(NHKニュース)
この結果は失敗に終わり、再挑戦することになったそうだが、このニュースを見て、いろいろ考えた。
3万年前の人類は確かに草船のようなもので渡来したはずだ。たとえ、現代人にできなくても、当時の人たちは、何らかの知恵を使って可能にしたのだ。だから、現代がある。
ふと思う。もしも、2万年後の人が21世紀の人のことを想像したら、どうなるだろう。21世紀の人にはできて、2万年後の人には難しいことがあるにちがいない。
短い期間で考えればわかる。次の計算が暗算でできるだろうか。
「39+24+37」
これは誰でも簡単にできる暗算だ。だが、数十年後の社会ではできない可能性がある。それはコンピュータや電卓に頼り過ぎて、簡単な計算もできない人が多くなるということだ。実際に、最近、ある人に「39+24+37」はいくらかと聞いたら、その人は、「ちょっと待って!」と言って電卓を叩きだした。この人は未来人の先駆けのような人なのかもしれない。
現代人にできなくて、数年前、あるいは、3万円前の人にできたことがたくさんあったのではないかということだ。
我々人類は進歩している。しかし、後退している一面もあるのではないか。