日々是好日 - Seize the Day

煩悩だらけで無力で、罪深い人間の戯言です。

和敬清寂

 「和敬清寂(わけいせいじゃく)」は茶道で重んじられる精神を表す言葉だ。「和敬」は茶事における主客相互の心得、「清寂」は茶庭・茶室・茶道具などに関連する心得。異なる人が集まり、それぞれを互いに敬い合い、心おだやかにして慎み、互いの長所を生かし合おうとする精神だ。


 禅語にもこの言葉があり、同じ能力の人ばかりが集まっても何も生まれない。「和」とは同じ立場や考え方の人が集まることではなく、異なる立場や考え方の人が集まって、互いに持ち味を認め合い敬いあうことで、清々しく葛藤のない穏やかな関係が築かれるという。


 異なるからいいのだ。同じ立場の人や同じ意見の人ばかりになったら恐ろしい。「人は異なっている」ことを認めることが必要だ。職場などで、いろいろな人たちが集まる時、自分と異なる意見を脅したり、排したり、あるいは、憎んだりするようなことはしたくない。違う意見があったら、まず相手の言葉に耳を傾けることだ。


 合衆国や中国など他民族国家においては、特にそういうことが必要になる。異なる民族や意見の者を脅す、追い出す、そういう言動は慎みたい。もっと大きな単位で考えれば、地球市民という考え方も必要だ。多くの民族が小さな地球の上で、互いに「和敬清寂」の精神で心穏やかにして慎み、互いを生かしあう精神を持てればいいと願っている。

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