氷!
朝、王禅寺ふるさと公園を訪れると、池の水が凍っていた。横浜地方も朝の気温は0度。凍るわけだと思いながら、冬の厳しさを思う。ただ、まだ、雪は降っていない。
冬には雪の多く降る地方に住んでいた学生のころのことを思い出した。雪道を歩きながら大学へ通った。雪にすっぽりはまったサッカーボールを蹴っていた。きびしい寒さの中、人を待って風邪を引いたこともある。
今は厳しい寒さのない地方に住んでいる。池が凍るというのを久しぶりに思い出す。池が凍るなんて当たり前の世界で生きている人たちのことを忘れていた。
学生のころ、こんなこともあった。真冬の高尾山で道路工事のアルバイトをしていた時、ぼくが0度の寒さに我慢できないと言ったら、北海道出身の友人がこんなの寒くないよと言った。彼には真冬の0度は温かいほうだという。
何もかも相対的なものだ。一年の間ほとんど30度だという中国の広東省に住んでいた時、冬の15度という気温にひどく寒いと感じた。人によって同じ気温も寒いと感じる人とそうでない人がいる。
ある現象をひどいと思う人とそう思わない人がいる。ある状態を不幸だと感じる人と幸福だと感じる人がいる。形容詞はすべて、相対的なものだ。ぼくはいま贅沢とは縁がないが、ひどく幸せだ。