日々是好日 - Seize the Day

煩悩だらけで無力で、罪深い人間の戯言です。

生きる!

 小さいころから笑うことが苦手だった。笑わない男だった。なぜだろうか。いつも憂鬱な気分だった。マイナス感情ばかりだった。
 何しろ、兄と弟は優秀、ぼく一人、できが悪かったのだ。ぼくは河原で拾われたのかと真剣に思っていた。中学、高校と、ぼくは要らない人間だと思い続けて、ぼくは生きる意味のない人間だと思っていた。
 大学生のころは一時期、本当に自殺を考えた。誰とも口をきかず、一日中過ごした。時には、数日間雨戸を閉め切って、部屋にこもり、ひたすら、部屋の中で何度も何度も幻想交響曲を聴いていた。
 大学四年生のことだ。親友ができた。自殺願望の親友だった。二人で自殺の方法を考えた。彼は手首にも首にも自殺未遂の跡があった。こいつと一緒にいたら、死ねると思った。だけど、ある日、母が救いに来て、ぼくは救われ、彼は死んだ。
 ぼくはものすごく落ち込んだ。ぼくも早く死にたいと思った。だけど、親友の兄が言った。君たちは私の弟の分も生きてくれと。これが救いになった。ぼくは今も彼の命を生きている。