先日、東京都にある広い公園を訪れた。自然豊かな公園だ。池と緑があり、小さな昆虫や魚たちが生きている森だ。大勢の人が来ていた。中には親子連れもいた。

　第一に不思議なことは私の周りを歩いている人たちが、その豊かな自然を全然見ていない。ずっとスマホを見ながら歩いていること。彼らにとって、この自然がどうであるかは関係ないようだ。ぼくはベンチに座って、池の端を歩く男女をじっと見ていたが、全く目を周りに向けない。

　歩いていたらすれちがった親子の会話を聞いて驚いた。小学生ぐらいの女の子が「お父さん、～ゲットした？」という。そうなんだ。彼らはポケモンＧＯをしに来ているのだ。大勢の人がいるが、その8割くらいはポケモンＧＯが目的のようだ。周りの景色を見ている人は少ない。

　何かのニュースで聞いたが、自殺の名所にポケモンＧＯで遊ぶ人が大勢押しかけて、自殺者が減ったとか。いい結果をまねいているとか。だが、自然豊かな公園で、ポケモンＧＯをする人たちが増えたから、公園管理者は喜ぶのだろうか。植物を育てる必要もない。小動物、昆虫たち、魚たちも彼らには目に入らないのだ。

　この公園にいるのはそういう自然の生態系ではない。創造のモンスターたちしかいないのだ。ならば、この公園である必要もない。どこの公園であってもいいのだ。夕焼けがきれいとか、富士山が見えるとか関係ない。ただただモンスターがいればいいのだ。日本人の中の一部なのだろうが、不思議な人たちだ。