方言-「ひ」と「し」
方言で思い出したことがある。「し」が「ひ」になっていたことだ。例えば、「布団を敷く」、「座布団を敷く」が「ひく」だったことだ。それに、「七(しち)」を「ひち」と言っていた。今、母に言ってもらうと、相変わらず「ひち」だ。
東京方言で、「ひ」が「し」になるというが、それを目の前にした時は驚いた。生徒が書いた作文で「しゃくえんをひろった」と書いてあったのだ。この生徒は「しゃくえん」と思い込んでいたのだ。落語でも「しちめんどくせえ」とか「しでえ」と言っているのを聞いたように思う。
ぼくの方言はその逆なのだ。実を言うと、外国人に日本語を教える上で、今も困っている。日本語教師になって以来、ぼくは、「1,2,3,4,5,6」と数えた後、「しち」と意識して言っているのだが、どうにも言いにくい。